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<このコ−ナ−では、東京製本倶楽部会員の著作・出版物、ならびに会報掲載の書評を短縮して紹介しています>
<2004年以前の出版物については、書名と販売情報のみ記載しています>

2006年
2005年
2004年
2003年
2002年以前


46号より
Krystyna Wasserman, The Book as Art:
Artists' Books from the National Museum of Women in the Arts

Princeton Architectural Press 2006年9月刊 英語
ハードカバー 192頁 55ドル(米)
2006年10月27日から2007年2月4日まで、米国ワシントンにある女性芸術美術館(NMWA)の開館20周年記念展として The Book as Art と題するアーティスト・ブックの展覧会が開催中だが、本書はこの展覧会に合わせて出版されたオールカラーの図録である。同館のブック・アート・コレクション800点以上の中から、1970年代から現在に至る作品108点を選び、作家自身によるコメントつきで紹介している。出品作家86名は全員女性で、出身国はアメリカのほか、ヨーロッパ諸国、ロシア、オーストラリア、アルゼンチン、メキシコ、ヨルダン、レバノンなど12か国におよぶ。
写真や挿絵を主体とする限定本から、折り本、ポップアップ、ブック・オブジェに至るまで、実にさまざまな形態の、創意工夫に富んだアーティスト・ブックが並び、空のティーバッグに日記を書き、箱に詰めた作品や、アンネの日記の断片を書きこんだ白い子供用ドレスなど、はたして「本」と呼んでいいのかどうか考えさせられる作品も少なくない。テーマもレベルも材料も千差万別だが、個人的な経験にもとづくパーソナルな作品が比較的目立つ。
女性芸術美術館のために20年間アーティスト・ブックを収集してきた同館ブック・アート担当キュレーター、クリスティーナ・ワッサーマンによる解説のほか、アーティスト・ブックに関する著作もある研究者ジョハナ・ドラッカー、作家でブック・アーティストのオードリー・ニッフェネガー(『タイムトラベラーズ・ワイフ』の作者)による小論も収録。現代美術の魅力的な一形式としてしばらく前から注目されているアーティスト・ブックの多様性と広がりがうかがえる図録となっている。
National Museum of Women in the Arts
http://www.nmwa.org/     (市川恵里)


いせひでこ『ルリユールおじさん』理論社
2006年9月刊 A4変形横判56頁 定価・本体1600円+税
大変美しい絵本である。舞台はパリの路地裏。「木」が大好きな女の子の、愛読していた図鑑が壊れてしまった。それを「ルリユールおじさん」の所へ持っていって治してもらうというストーリーだ。
「ルリユール」という言葉は一般人にはなじみがないが、この言葉を用いながら、仕事をわかりやすく丁寧に描写してある。
翻訳本かと思われるほど絵が的確なのは、著者がパリで出会った製本職人に実際に取材しているからで、製本工程の詳細なスケッチが多数入っている。仕事をする「ルリユールおじさん」の手の表情がとてもいい。手仕事に魅せられた著者の気持ちがよく伝わってくる。
製本に関する用語の表記について、いくつか違和感のある箇所があり、ここに記しておく(岡本幸治氏のご教示による)。
「ルリユール」を、本を仕立てる仕事(製本術)を意味する語として使用するだけでなく、製本職人を指す語としても使用している。正確には仕事を意味する語はreliureで、人を示す語はrelieur(ともに名詞)。カタカナ表記ではほとんど区別することができないので、職人を示すケースでは「ルリユールおじさん」または「ルリユール職人」などと、人物を表す言葉を用いるのが望ましい。
支持体を「糸」としているが、おそらく帯麻であろう。「ひも」のほうが適切。表紙素材として挙げられている「羊皮」は、なめしてあるはずなので「羊革」とするべき。
革漉き作業で使用する道具は「へら」ではなく「ナイフ」。絵にはきちんと革漉き包丁(刃物)が描かれている。
こうした細部で気になる部分はあるものの、全体としては非常に魅力溢れる1冊になっている。表紙に「RELIEUR ET ROBINIER」(製本職人とアカシア)とあり、「ルリユール」と、女の子が大好きなページの木「アカシア」の語の末尾が、あたかも韻を踏むようなタイトルにしてあるのも心憎い。


『西鶴と浮世草子研究』vol.1
笠間書院 2006年6月 A5判252頁 定価・本体2500円+税
年1冊刊の予定で刊行が始まった、雑誌形式シリーズの1冊目。特集は「メディア」で、出版に焦点を当てた内容である。早稲田大学教授・中嶋隆と青山学院大学教授・篠原進の2名の近世文学者が編集を行っている。
林望ロングインタビューでは、浮世草子を書誌学的に調査してきた様子が細かく語られ、古典籍を扱う際、どこに注目するべきかがよくわかる。幻冬舎社長・見城徹ロングインタビューは、その編集者としての姿勢、出版のやり方について赤裸々に吐露、営利出版と縁のない研究者や、学術書の出版人にとっては厳しいコメントが続発する。
ほかに、冨士昭雄「貞享期の出版攷」、市古夏生「『増益書籍目録大全』と西鶴本」、羽生紀子「貞享三年の池田屋岡田三郎右衛門」、谷脇理史「西鶴の自主規制とカムフラージュ」、速水香織「貞享・元禄期における三都の出版書肆」など、江戸時代の出版に関する文章が多数掲載されている。更に西鶴研究書の紹介や研究史、韓国での西鶴研究状況についての情報も。別冊付録として「西鶴と浮世草子・最新文献ガイドブック(平成15〜17年版)」がつく。
本書の目玉は付録の「西鶴浮世草子・全挿絵画像CD」で、『好色一代男』『好色一代女』『諸艶大鑑』『男色大鑑』『日本永代蔵』『世間胸算用』など西鶴本25点の作品の挿絵をすべてパソコンで見ることができる。
いきなり学術研究書を買うのは難しくても、これなら、江戸期に出版された書物の雰囲気を感じ取る入門書として、気軽に買って手元に置いておきたくなる。


田坂憲二『大学図書館の挑戦』
和泉書院 2006年11月 四六判225頁定価・本体2500円+税
著者は福岡女子大学教授で、『源氏物語』など平安文学の研究者として知られる。一方で現代文学全集の書誌学的研究をするなど、ユニークな姿勢で書物と接している。
そんな著者が、大学図書館長を兼任することになった。無類の愛書家である視点から、企画展示では、ラインナップを練ることに始まり、展示作品を選び、解説文を執筆する。署名入本、細川書店本、町春草装丁本といった、書物そのもので見せる展示から、小津安二郎、舟橋聖一、川端文学などの人物や、文学全集に見る出版文化史などの切り口で興味を引く内容まで様々だ。こうしたテーマ設定は、本好きならではの手腕であろう。
もう一つ特徴的なのは、書物とは書かれているテクストだけでなく、ブックデザインそのものも大切な情報であると見なして、函やジャケットも含めてそっくりそのまま保存するのが望ましいとするコンセプトである。たとえ実物を手にすれば一目瞭然の違いでも、昨今のOPAC(所蔵本検索システム)に登録されている書誌データ情報では、外装の相違点(異装本)や改編版の違いまでは検索できないからだ。
書庫スペースの制約もあり簡単にはいかなくとも、このような着眼を広めていく活動そのものに、まず意義があるだろう。図書館関係者に参考にして欲しい内容である。
なお、本書の第4章ではインターネット上の所蔵本検索システムについて取り上げられている。実際の書誌データの誤謬を分析することで、システムの不備を推理する痛快な一編であり、緻密な研究論文である。ただ、この分野については日々改善されており、正確な書誌情報群(データベース)とシステムを構築することが目的であるなら、ネットにまつわる提言はネットに載せるのが得策であろう。新聞や雑誌よりも更に内容更新の困難な「単行本」というメディアに収録することには、いささか疑問を感じた。


羽鳥房江『ゴムはんこワールド』
技術評論社 2006年12月刊 A5判79頁定価・本体1380円+税
消しゴムやゴム板でスタンプを作り、それで様々な紙雑貨を手作りする。昔から行われていたことだが、昨今は版材やスタンプインク、用紙などが格段に進歩し、作品制作の幅が広がった。
著者は、小さな手づくりゴム版を依頼に応じて制作、「くり工房」の名でインターネット販売している。その人気のクラフト作品をカラーで紹介、定番の年賀状を始めとして、四季折々のメッセージカード、手紙用品として一筆箋や封筒、切手風シールに封緘シール、ポチ袋や箱、タグなど、小さな雑貨がたくさん並んでいる。
「本の虫」と題する章では、ゴムはんで作った蔵書票、ブックカバー、しおり、簡単な豆本が取り上げられ、カラフルでかわいらしい作品が紹介されている。こうしたグッズも自分で手作りできるとなると、本の楽しみが倍加するに違いない。 
本書の見返しもスタンプの連続模様で作られており、手軽にオリジナルの紙素材を作れるヒントが盛り込まれている。材料紹介のページに書かれているが、布に捺せるスタンプインクもあるので、これで表紙布を作ることも可能だ。はんこの型紙とクラフトの作り方つき。 (敬称略。以上4点、田中栞)

45号より
吉野敏武『古典籍の装幀と造本』
印刷学会出版部 2006年5月刊 
A6判173頁 定価・本体1600円+税

 印刷学会出版部発行の「デザイン製本シリーズ」の第3弾である。著者は宮内庁書陵部で永年古典籍の修補に携わると同時に、東洋全般の古典籍の造本形態や料紙について、深い調査研究を続けてきた。現在は書陵部修補師長であると同時に、和紙文化研究会の運営委員と同会研究誌編集委員長も務めている。
 前号で紹介した、同じく書陵部の櫛笥節男氏の『宮内庁書陵部 書庫渉猟』が、古典籍に外側からアプローチしたビジュアル本とすれば、本書は構造を造り出す内側の視点から迫った画期的な内容である。
 本書では、中国と日本の造本形態の変遷を概説した後、わが国で行われてきた各種造本方法について、図解をまじえて具体的に解説。巻子本、粘葉装、大和綴(従来「綴葉装」と称されてきた造本)、経摺装・折本、線装本袋綴の5形態の作り方と、使用する道具類について紹介する。
 造本の方法は、基本的には吉野氏の師であった遠藤諦之輔氏の技法に倣うので『古文書修補六十年』(汲古書院、1987年)を参照することが必要だが、吉野氏は使われている料紙にも常に注目しつつ記述を展開している。素材と造本構造は密接な関係を持つので、理にかなっている。
 製本の方法についてはかなり詳しく、糊の種類や濃さ等に触れたり、実物の古典籍が仕立てられる際に使われた道具の状態を分析したりするなど、専門家にとっても有益な記述が豊富に盛り込まれている。
 包背装(ほうはいそう。書物の背の部分が紙や布でくるまれている方法)の方法など、遠藤本では記されていないものもいくつかある。折本製作の箇所では、山折りと谷折りを交互に行い1面ごとに折っていく一般的な方法だけでなく、2面分の寸法で全部の筋つけを行い、山折り部分だけを先に折ってしまってから各面中央を谷折りしていく方法も紹介している。
 また、「和本」と言えば最も一般的な形である「線装本袋綴」の項では、浮世絵や江戸期の浮世草子・絵草紙類の様子についても詳しく触れている。
 現代人にとって、実践の上でネックなのが「裁ち」である。和装本の用紙断裁には、正式には「裁庖丁(たちぼうちょう)」という道具を用いる。和紙素材の製作には、この裁庖丁を用いた方が風合いのある仕上がりになるようだが、この道具そのものがまず入手困難であり、たとえ入手できても私たちが日常使うカッターとは全く異なる使用法(両手で持って使う)であるため、永年修行した職人でなければ使いこなせない。特に厚みのある本紙の化粧断ちは大変難しいので、本書の方法を100パーセント実行するのは事実上不可能であろう。
 時代の移り変わりに伴って、材料や道具、技法も少しずつ変化していくにせよ、日本国内で和装本の修復復元と製作を最も長年月にわたり実践してきた書陵部での、いわば正統的な方法がこうして書きとどめられたことは非常に有意義である。
本書中で適宜添えられている書影はモノクロなので、『書庫渉猟』を参照するとよいだろう。
 なお本書の造本は文庫サイズの上製本で、この「デザイン製  本」シリーズは既刊分は無線綴じであったのが、本書は糸かがりで製作され、比較的開きの良い上製本になった。


小村雪岱『日本橋檜物町』
平凡社 2006年9月刊 B6判変形(平凡社ライブラリー)
口絵16頁+本文292頁 定価・本体1300円+税
 我が国装丁史上屈指の名作と言われる泉鏡花『日本橋』を始めとして、鏡花本の挿画やブックデザインを手がけ、舞台美術にも才能を発揮した小村雪岱。本書には、表題作ほか、「長谷雄草紙礼讃」「挿絵のモデル」「新聞小説の挿絵」「泉鏡花先生のこと」「九九九会のこと」「舞台装置家の立場から」など、雪岱が折々のことを綴った珠玉の文章30本を収録する。
 原本は高見澤木版社から昭和18年に刊行された。本文紙は行ごとに罫線で仕切られ、柱の立つ中央部分で二つ折りしての袋綴じ製本。この平凡社ライブラリー版でも、その原本のたたずまいを尊重して罫線を配した文字組を行い、上品で雅やかな雪岱の文体が、凝った誌面で組版されている。
 本書では、雪岱の文章が終わった後に、雪岱について同時代の人々が綴った文章を14本付す。鏑木清方「『雪岱集』序」、久保田万太郎「小村さん」、国枝完二「雪岱さん」、山口蓬春「雪岱さんの思ひ出」、戸板康二「小村さんの舞台装置」などで、これはこのライブラリー版のオリジナル編集付録である。更に、巻末には泉名月さんの書き下ろし巻末エッセイ「小村雪岱と泉鏡花」つき。
 また、本書巻頭にはカラーを含む16ページの口絵もつく。泉名月さん所蔵の鏡花本の書影や、名著『日本橋』の表紙や見返しの校正紙などが美しい。
 昨今の再刊本は、原本そのままの再現に終わらず、様々なものを付加するケースが増えた。本書も、原本にはない雪岱資料を大量に加え、内容面では単なる再編集本にとどまらない、充実の新刊本になっている。



水野真帆『ちいさな手づくり絵本』
毎日コミュニケーションズ 2006年7月刊 A5判変形95頁 
定価・本体1480円+税
 著者はイラストレーターであり、最近は立体オブジェも制作しているアーティスト。
 本書では、パソコンのソフト「Illustrator」や「Photoshop」を活用したり、手描きでイラストや文字を入れたりして表紙や本文を作り、簡単な綴じを経て小さな絵本を作ろうという趣向である。
 ここで制作されるのはいずれも、『不思議の国のアリス』をテーマとしたかわいらしい本。ティーカップ型の『不思議の国の仕掛け絵本』に始まり、バインダー形式の『アリスのアルバム絵本』、旅行鞄のような『旅の写真絵本』、オブジェ風の『雑貨絵本』、小さな『アリスの豆本』という全5種類の絵本の作り方が載っている。製本方法は、糸またはリボンを使っての1折中綴じか、折本である。
 時計の針がまわったり扉が開いたり、人物が立ちあがるポップアップなど仕掛けの解説が豊富で、カード制作の感覚だ。製本というより、雑貨作りを楽しむ人たちが読者層なのだろう。本書そのものがオールカラーで写真やイラスト満載、自分で作るかどうかはさておき、取りあえず見て楽しむ本と言える。



林哲夫『文字力100』みずのわ出版 
2006年6月刊 新書判205頁 定価・本体1800円+税
画家であり、古書にも詳しい著者が、書物デザインにおいて個性的な「文字」が生きている実例100点をセレクトして紹介した好著。
 本書では、1見開き完結で、それぞれの本の書影と出版データ、そしてその著者や出版社にまつわる蘊蓄が配されている。ブックデザインも手がける著者は、文字に注目しながらも、タイポグラフィという見方ではなく、あくまでも書物装丁における効果というアプローチでこれらの文字作品に迫る。ブックデザインを目にするだけで、津田青楓、岸田劉生、佐野繁次郎、宇崎純一、青山二郎、北園克衛、吉岡實といったアーティストの書風が感じ取れるし、細川書店、野田書房、プラトン社、書肆ユリイカ、小澤書店、書肆山田、アカギ叢書など、版元ごとにも個性が滲むとわかって楽しい。
 いわゆる活字体よりも、描き文字が印象的なのは、手がけた人の表情がストレートに現れるからだろうか。パソコン全盛時代になったせいか、人間の手仕事の方が力強く感じられる。



『レプリカ』INAX出版 2006年3月刊 
A5判変形71頁 定価・本体1500円+税
 同社から発行されている枡形本ブックレット・シリーズの1冊。石器や土偶、剣など、博物館で展示されるような物の並ぶ中に、書物に関連のある記事も散見される。
 レプリカの図版とともに、制作上のポイントが記されている。凸版の印刷博物館が所蔵する駿河版銅活字のレプリカは、仕上がった活字の表面だけに、金属色の絵の具をかするように塗る。木簡表面の文字は、トレースしたものからシルクスクリーン版で転写する。
 ほとんどがカラー図版に少量のコメントが添えられるのみだが、「絵巻や古文書を印刷技術で再現」の項では、便利堂(京都)が、現在では稀になってしまったコロタイプ印刷で、高山寺所蔵の「鳥獣人物戯画巻」の複製を作る工程が、6頁にわたってわかりやすく紹介されている。
 レプリカというと、とかく贋作がイメージされて胡散臭い印象を抱きがちだが、この記事で表現される「平成の写本」という言葉に、そうした先入観は改まることだろう。
(以上5点、田中栞)

J. J. G. Alexander, J. H. Marrow, and  L. Freeman Sandler

The Splendor of the Word: Medieval and Renaissance Illuminated Manuscripts at The New York Public Library

The New York Public Library / Harvey Miller Publishers 
2006年2月刊 英語 ペーパーバック 480頁 75ドル(米)
本書は、2005年10月21日から2006年2月12日までニューヨーク公共図書館で開催された、西欧の中世・ルネサンス時代の彩飾写本の展覧会 The Splendor of the Word の図録である。ニューヨーク公共図書館が所蔵する300点近くの西欧彩飾写本コレクションは、アメリカでは屈指の規模でありながら、ごく一部しか研究されておらず、大部分の写本は専門家の間でさえ知られていなかった。今回公開されたのは、彩飾写本の専門家であるアレグザンダー、マロウ、サンドラーの3人が同図書館の所蔵品の中から選んだ、文化的、歴史的、芸術的にとりわけ重要な彩飾写本100点。10世紀から16世紀にかけて西欧各地で制作された幅広い種類の彩飾写本は、装飾の程度も挿絵のスタイルもさまざまだが、どれもきわめて美しく、興味深い。出品作は内容によって、「中世・ルネサンスのヨーロッパにおける写本制作」「聖書とその歴史」「典礼書」「個人用の祈?書」「科学的、歴史的、文学的、教訓的な書物」という5つのセクションに分類され、各写本の美しいカラー図版とともに、それぞれの特徴や社会的、歴史的背景など詳細かつ専門的な解説が各国の研究者の手で加えられている。今回初めて明らかにされたことも多く、学問的価値は非常に高い。中世、ルネサンス時代のヨーロッパおよび書物の歴史について真剣に学んでいる方にお薦めしたい。                      (市川恵里)

『本の手帳』創刊号、特集「蔵書票まつり」
本の手帳社 2006年7月刊 
TEL 045-431-1260、 koubaido@cam.hi-ho.ne.jp  (田中)
A5判(上開き)48頁 定価・本体800円+税(送料別途実費)
大貫伸樹と田中栞の2人で新たに創刊した書物雑誌。毎号、書物に関する記事を掲載し、今後、年3回程度の発行を予定している。創刊号は「蔵書票まつり」と題して、蔵書票を作って楽しむためのガイドブックである。思い思いの蔵書票を作ってインターネット上で交流している「蔵書票部」の皆さんの作品や、苫小牧市立沼ノ端小学校の生徒作品、大貫伸樹銅版画教室コパーズなどの作品のほか、豆本と蔵書票の手作り作品を紹介。蔵書票図版約180点を収録する。ほかに、けしゴム版画蔵書票とスタンプグリップ、スタンプホルダーの作り方と、折本の蔵書票貼込帖の作り方も、写真入りで工程を詳しく解説している。
なお限定版(50部)を8月下旬に発行の予定。大貫伸樹の銅版画蔵書票と田中栞の銅版画蔵書票が1点ずつ計2点(署名、エディションナンバー入り)と、それぞれの手作りコラージュまたは直筆イラスト等が1点ずつ計2点つく。限定版カラー表紙および「限定版の制作にあたって」つき。限定番号入り、たとう入りで、定価・本体4200円+税(送料別途実費)。      (田中栞)



Mirjam M. Foot,
Bookbinders at Work: Their Roles and Methods
The British Library and Oak Knoll Press 2006年1月刊
英語 ハードカバー 163頁 59.95ドル(米)/30ポンド(英)

イギリスの製本史家 Mirjam Foot が16〜18世紀の主にフランス、イギリス、ドイツ、オランダの史料(製本の技法書や挿絵、製本師の財産目録など)に基づき、従来の書誌学では軽視されがちだった書物製作の歴史における製本師の役割を探究した研究書。それぞれの時代に書物がどのような形態で販売されていたかという話に始まり、製本師の具体的な仕事の内容とその順序、さまざまな装飾の技法、さらには道具・材料の値段や製本代といった経済面に至るまで、資料を引用しつつ事細かに説明している。装丁様式の変遷にとどまらず、昔の製本師がどのような道具と材料を使い、どのような作業をおこなっていたかを、国による違いも含めて、工程ごとに具体的に詳述しているのがとりわけ興味深い。近世ヨーロッパにおいて製本を生業とした人々の仕事ぶりが歴史の中から浮かびあがってくる。巻末にドイツ語・フランス語の製本用語集つき。カラーおよびモノクロ図版計66点。Foot にはStudies in the History of Bookbinding(1993)、The History of Bookbinding as a Mirror of Society(1998)など製本史関係の著書が数冊ある。

David Jury, Letterpress: New applications for traditional skills
RotoVision 2006年1月刊 英語 ペーパーバック
160頁 30ドル(米)/20ポンド(英)

活版印刷とデザイン(タイポグラフィ)をテーマにしたこの本の著者は、TypoGraphic 誌の編集長を務めるイギリスのタイポグラフィック・デザイナーDavid Jury。ハードカバー版は2004年刊。デジタル化が進む現在、産業としての活版印刷は事実上終焉を迎えているが、欧米では活版の独特な魅力に注目するデザイナーが増え、活版を使うプライベート・プレスも増えているという。本書はこうした流れをとりあげた最初の本であり、欧米における活版の歴史をたどるとともに、近年のデジタル技術による組版・印刷と、500年以上の伝統をもつ活版とを比較し、デジタル化の過程で失われたものや、活版独自の特徴、魅力を、主としてデザインの観点から詳しく考察している。単なるノスタルジーではなく、デジタル技術の利点と弊害を冷静にふまえた上で、伝統技術としての活版をアートやデザインの領域でクリエイティブに活用する可能性を探っている。コンピュータに囲まれて育った若い世代にとって、活版は、そのモノとしての存在感や手仕事としての側面も含めて、むしろ新鮮なメディアなのだ。広告や印刷見本から新旧さまざまなプライベート・プレスの書物まで、全編に豊富な写真(多くはカラー)がちりばめられ、活版を使ったタイポグラフィの多種多様な実例を見せてくれる。

The Bonefolder 最新号
http://www.philobiblon.com/bonefolder/

「製本家とブック・アーティストのための電子雑誌」The Bonefolder(英語)の2006年春の号が公開された(PDFファイル)。毎号、製本およびブック・アートに関する興味深い記事を数多く掲載している同誌は、2004年の創刊で、これまでに4号発行されている。バックナンバーは、ブック・アートに関する膨大な情報を集めたサイト The Book Arts Web(http://www.philobiblon.com)で公開されている。
 最新号には「ブック・アーツのプロのためのマーケティングの基本」、「ブック・アーツの巡回販売」、「図書館員が作った本」、「リンプ・ヴェラム・バインディングに関するノート」、「ボード・スロッティングの新たな可能性」(ボード・スロッティングとは、表紙が取れた本を修復する際に、背貼り材の端を差しこむための溝を、表紙ボールののど側に穿つ技術のこと。専用の機械もある)、「SC6000 その他の革用コーティング材:成分と効果」、「ビル・アンソニー:名匠の系譜」などの記事が掲載されている。最後の「ビル・アンソニー…」は、2005年、アイオワ・シティで開催された同名の展覧会を出品作の画像とともに紹介したもの。『古書修復の愉しみ』(白水社)にも登場する製本家・書籍修復家ウィリアム・アンソニー(1926-89)の弟子と生徒、さらにその生徒たちの作品(修復も含む)を一堂に集めて展示した同展からは、アメリカの製本界におけるアンソニーの影響力の大きさがうかがえる。弟子のラリー・ヤーキーズがアンソニーの生涯を綴った文章も収録されている。               (市川恵里)

櫛笥節男『宮内庁書陵部 書庫渉猟書写と装訂』
おうふう 2006年2月刊 A5判239頁 定価・本体3800円+税
 宮内庁書陵部図書課に長年勤務してきた著者が、書陵部所蔵の貴重な古典籍の図版を豊富に掲げながら、和装本の様々な形態について詳しく紹介する。贅沢にも全ページカラーなので、用紙の風合いや書物の質感がよくわかる。
 平成14年度に書陵部で行われた「書写と装訂」の展示データに増補を加えたのが本書の内容で、古典籍の形態、書写と道具、複本作成、綴じ方いろいろ、装訂名称の混乱と経緯、本の大きさと紙、様々な改装、古今伝授資料、その他、帙という10項目のもと、実例をあげながら詳しく説明している。
 巻子本から折本に改装された実例だけでなく、袋綴じを巻子本に改装した実例、大和綴じ(従来の「綴葉装」)に仕立てる前の「仮綴じ」の状態で残っているもの、書写の際に使用された「糸罫」(書写位置の目安を示す道具)など、書物の制作過程が窺える資料が多数紹介されていることが貴重である。
 また、造本形態の名称が混乱していることについて、その経緯を解説した上で、新出資料に基づき「大和綴じ」「胡蝶装」はどの形を指すべきなのかを提案する。
 修復に関する記事も多く、和本の修補方法や道具、古典籍の収納箱や保存箱、掛け軸の取扱い方法、保存環境の整備などについても記されている。
 書陵部に古くから伝わる貴重な資料が、このような出版物の形で公開されることは大変有意義である。
                          (田中栞)

山崎曜『手で作る本』
 文化出版局 2006年3月刊 菊判95頁 定価・本体1500円+税
「簡単な一折のとじから、交差式製本、コプティック製本まで、十数種類の製本技法を自由に解釈し、アイデアを加えて作例を作り、50頁余りのカラー写真で紹介しました。また、それぞれにイラストを使って作り方を説明しました。基本技法の頁も豊富な図解で充実させ、製本がはじめての方でも見ながらつくることができるように試みた、欲張りな1冊です。是非見てみてください。(山崎)山崎曜『手で作る本』」

 自由な発想で製本作品を生み出す山崎さんの、製本テキストである。1折中綴じ、ステッチ中綴じ、和本、交差式製本、ハードカバー、縦長のレシピノート、リボンリンプ製本、コプティック製本、革表紙のダイアリー、ロングステッチの革ノート、アルミ板の表紙のダイアリー、葉書の折帖、封筒つづりの本の13種の方法が、カラー図版と図解をまじえて紹介されている。
 本来は綴じの役目を果たすための糸やリボンが、山崎作品では非常に装飾的に工夫され、見せる要素が強く打ち出されている。実用製本とは相容れない部分もあるものの、昨今、私家版づくりを楽しむ人たちにとっては、楽しいヒントが数多く盛り込まれた1冊だ。
 本書では収納函について一切触れられていないが、山崎さんならではのユニークな発想の函についても、いずれは本書のような形でまとめて欲しいものである。
 なお、本書の出版記念展が美篶堂で6月13日から25日まで開かれ、山崎さんのオリジナル道具や本書の未綴じ本なども販売する。(田中栞)



小泉弘『デザイナーと装丁』
印刷学会出版部 2005年11月刊 A6判上製77頁(カラー32頁を含む) 定価・本体1800円+税

 ブックデザイナーである著者が、現代日本のブックデザインの流れを58点の写真を添えて読み解いた好著。特に「グラフィックデザイナーが手がけたブックデザイン」という視点から、各アーティストの特徴を解説する。デザインしていることを感じさせない原弘(はらひろむ)の作品を皮切りに、造本や製本の面にも様々な試みを行い始めた田中一光や杉浦康平、そして中垣信夫、鈴木一誌、羽良多平吉、戸田ツトムら気鋭のデザイナーたちの作品を次々に紹介、その一方で、あくまでも抑制のきいた仕事に徹する多田進らの存在も忘れない。小冊ながら32頁ものカラー書影が美しい。本書のブックデザインはもちろん著者自装で、白地に墨1色刷と墨箔でつや消し加工というモノトーンの造作が、文中に紹介するカラフルなブックデザインの数々をまとめあげる役目を果たしている。


八木福次郎『書痴斎藤昌三と書物展望社』平凡社 2006年1月刊 四六判上製、カラー口絵16頁+本文182頁 定価・本体2800円+税
 1920年代から30年代、多くの上質の出版に関わり、まさに出版文化の中心的存在だった斎藤昌三。斎藤本人と交流もあった著者が、彼の書物人生と作品をたどる。『日本古書通信』誌上で連載していたものを改稿し、書影満載の16頁の口絵をつけた。『おいら』『いもづる』『愛書趣味』『書物展望』の雑誌で時代区分し、折々に著者の体験談も交えつつ解説している。
 注目すべき記事は、書物展望社が発足した昭和初期から次々と生み出された、いわゆる「ゲテ装本」についてで、斎藤自身の第一随筆集『書痴の散歩』の番傘を使った造本に始まる。工夫を凝らした限定本や豪華本は、円本全集の安価で粗雑な作りを良しとしない愛書家たちの支持を得た。著者が所蔵する書物展望社本は100冊ほどあるそうで、28頁にも及ぶ出版リストと、その姿を納めた口絵を眺めるだけで、斎藤の並はずれた書痴ぶりが感じ取れる。
 作家たちとの交流や、斎藤が蒐集してきた蔵書の行く末についての記述も生々しく、興味は尽きない。


野村保惠『誤記ブリぞろぞろ』
日本エディタースクール出版部 2005年9月刊 四六判213頁 定価・本体1400円+税
 コンピュータ印刷の時代になった今、「誤植」や「誤記」は活版印刷時代とは様変わりしてきた。原稿を著者がパソコンで執筆する形が一般的になり、文字データをそのまま印刷所に渡すケースが増えたことで、著者の原稿誤記は編集者の目を素通りすることが多くなってしまったのだ。活版時代は、原稿とは異なる活字を印刷所の文選工が拾うことで「誤植」になったが、今は著者の執筆段階で起こった漢字変換ミスや勘違いがミスとして残るので、「誤植」というより「誤記」である。本書では現代の誤記をこれでもかというほど掲げてあり、本に関わる人なら唸らずにはいられない。正しい組版ルールや漢字の字体などについても書かれてはいるが、実際に起こった誤記の数々の実例紹介こそ、出版と印刷の現場で長年仕事をしてきた著者ならではの迫力があり、ノンフィクションとしても楽しめる内容だ。本書に書かれていることは、日常、パソコンで文章を書く際の参考にもなるだろう。

山本隆太郎『銀座の四つ角から』
印刷学会出版部 2005年10月刊 A6判上製261頁 定価・本体2000円+税
 著者は印刷学会出版部取締役相談役で、1980年から2000年までの20年間にわたり月刊紙『新聞技報』に連載したエッセイから、69編を選んでまとめた。UCRという墨色の下の色を除去する印刷技術の紹介や、近代新聞製作と一般印刷の進歩状況の流れ、NHKのテレビ番組に出演して最先端の印刷技術を紹介した際のこぼれ話、明朝体のウロコの話、活字好きだった中里介山のエピソードなど、業界の長老ならではの蘊蓄が盛りだくさん。各項目が短く物足りない感はあるが、語り口は軽快で肩の凝らない業界読み物になっている。
 本書の校正者は『誤記ブリぞろぞろ』の著者、野村保惠氏であり、漢数字の表記、欧文の混ぜ組、「二、三いた」「八、九歳頃」という際の読点のベタ組みなど、昨今のコンピュータのワープロソフトまかせの組版とは違って、仕事の痕跡が見える組版には安定感がある。
 しかし、『デザイナーと装丁』と同様の造本であることは問題で、角背上製本のあじろ無線で本の開きが悪い上に、本文紙が硬いため、読む際にはかなりの力で表紙と本文紙を押さえつけていなければならない。文庫サイズなのに束(つか)が本文紙だけで2センチもあって280グラムと重く(四六判の『誤記ブリぞろぞろ』と、ほぼ同じ重さ)、硬い表紙とともに常時左手で押さえなくてはならないのは大変疲れる。山本氏の著作であるから、本文紙は上質で製本は重厚にしたいという意図はわかるが、それならせめて四六判にするべきで、この判型でこの造本に押し込めるのは無理がある。


近代ナリコ『本と女の子』
河出書房新社(らんぷの本) 2005年12月刊 A5判142頁 定価・本体1600円+税
 ミニコミ雑誌『modern juice』発行人で昨年『インテリア・オブ・ミー』(パルコ出版)という処女エッセイ集も出版した近代(こだい)ナリコさんお得意の、「女の子図書」紹介本。従来の古書界では軽んじられていた女性向け実用書や、女の子たちが魅せられてきた愛らしい書物の数々に注目し、自身の体験から特に1960〜70年代の出版物に光を当てる。
 サンリオ出版部の本や新書館のフォア・レディース・シリーズ、雑誌『私の部屋』『新婦人』など、実物を豊富なカラー書影で掲げながら、それぞれに丁寧な説明を付した。インターネット古書店の先駆的存在で「女の子図書」を主力商品として扱ってきた海月書林の市川慎子さんや、創作雑貨で女性に支持を得ている甲斐みのりさんとの対談のほか、サンリオ出版部の編集者だった伊藤昭久さんや『新婦人』の編集者だった田村敦子さんのインタビューなど、物の紹介に加えて当時の作り手たちの証言もたっぷりと盛り込み、見ごたえも読みごたえもある。
 本書で取り上げられているのは「書物」や「古書」の世界に存在するものばかりだが、これまで出版されてきたいわゆる「本の本」とはまったくの異世界であり、愛書家を自認する人ほど、この本には驚かされるに違いない。

伊達得夫『詩人たち ユリイカ抄』
平凡社(平凡社ライブラリー) 2005年11月刊 B6判変型 カラー口絵8頁+本文261頁 定価・本体1200円+税

 1940年代後半から60年代初めにかけての十数年の間に、美しい造本で数々の詩書を出版し続けてきた伝説の出版社、書肆ユリイカ。ベストセラーとなった原口統三『二十歳のエチュード』の出版から始めて、那珂太郎、中村真一郎、飯島耕一、中村稔、入沢康夫、平林敏彦ら多くの戦後詩人たちを発掘し、世に送り出したのは、出版人伊達得夫であった。伊達が綴ったこの名随筆には、(ややフィクションはあるものの)当時の出版の現場や詩人たちの振る舞いが生き生きと描かれている。
 本書は伊達得夫の一周忌(1962年)に制作・配布された『ユリイカ抄』がもとになっており、1971年に日本エディタースクール出版部から市販され版を重ねたものの、最近では絶版になっていた。今回の平凡社ライブラリー版では、エディタースクール版にはない口絵をカラー8頁で付し、伊達家所蔵の『からんどりえ』『無言歌』、飯島耕一氏所蔵の『他人の空』のほか、田中栞所蔵のユリイカ本34点の書影を納めている。巻末「出版総目録」の記載についても、原本に当たることで確認できた誤記は訂正した。
 なお本版のジャケットに配されたイラストは伊達得夫本人の作品で、『ユリイカ抄』函のひらに用いられていたもの。『ユリイカ抄』のブックデザインは吉岡實が、このライブラリー版のブックデザインは中垣信夫が担当した。本文中、タイトル下方の動物のユニークなカットも伊達が描いたもので、優れた造本センスを持つ氏らしい才能と頷ける。


田中栞『手づくり豆本と私』
紅梅堂(TEL 045-431-1260 田中) 2006年1月刊 B8判和装14丁(著者手製本)、署名・落款印入り、豆しおり2本・豆蔵書票2点つき 定価・本体1400円+税
 20年余り手づくりで豆本を作ってきた、その経緯をしたためた和装豆本。本書は、B3判で作成した本文紙の版下をオフセット印刷し、その裁ちから製本まではすべて手作業で行っている。用紙の取り都合から本文紙に和紙を用いることはできなかったが、石州手漉き和紙を使った手製こよりによる下綴じを2か所施し、造本構造の面では正規の和装本の形にならった。手製本のため、表紙・綴じ糸・角布は数種類ある。


『紙魚の手帳』別冊特集号
「おしゃれな蔵書票」(田中栞編集) 
紙魚の手帳社(TEL 045-431-1260 田中) 2006年1月刊 [普及版]A5判・表紙4頁+本文64頁 定価・本体800円+税 [限定版]A5判・表紙8頁+本文68頁、銅版画蔵書票(エディションナンバー、版画家サイン入り)1点貼込み、限定番号入り、たとうつき 定価・本体4000円+税 
 自分の所蔵本に貼ることでその愛蔵の意を示す小版画、「蔵書票」は、その美しさと愛らしさから「紙の宝石」と呼ばれてきた。最近では若い本好きのアーティストが、格式にこだわらず楽しく制作する例が増えている。本書では丸ごと1冊蔵書票の特集号とし、それも登場するアーティストもコレクターも女性に限って20本の記事を掲載、従来の蔵書票紹介本とは一味違った1冊になっている。アーティストは林由紀子・山下陽子・森野有子・和田尚子(以上銅版)、中尾エイコ・関美穂子(以上型染)、市川祥子・碓井斎子(以上木版)、尾崎あい(篆刻)、坂井茜(プリントゴッコ)、片岡知子(けしゴム版画)、ミストレス・ノール(写真コラージュ)等で、掲載蔵書票の図版は210点に及ぶ。
 普及版とは別に限定版を作成(限定100部、限定番号入り)、林由紀子さんまたは山下陽子さんによる銅版画の「『紙魚の手帳』のための蔵書票」をどちらか1点貼り込み、たとうで包む。限定版には普及版表紙の外側に限定版表紙がつき、林・山下両氏による「限定版書票に寄せて」のコラムと田中による「限定版の制作にあたって」の記事が加わる。
                         (以上8点、田中栞)

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