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工芸製本、ルリユール小史

   

 

ルリユール(reliure=フランス語で製本という意味) は、本文を綴じることから、表紙装飾、函の仕立てまで、一貫して手仕事で仕上げる、ヨーロッパ中世から続く工芸製本である。
15世紀半ば、グーテンベルグの活版印刷の発明以降、本は印刷の時代を迎える。初期の印刷本は、書体やレイアウトをはじめ、製本も綴じの支持体である背バンドや木製表紙を持つゴシック様式など写本時代の形を模したものであった。
印刷術のヨーロッパ各地への伝播に伴って増加していった書物は、当時主流であった河川交通を使い、運搬の利便性のため、多くは仮綴じ、未綴じの折丁の状態で運ばれた。製本は現地の本屋や読者に任されていたので、印刷された同じテキストでも所有者、地域によってさまざまな製本が施されたのである。

ゴシック様式の本のモデル

   

ルネサンスの文芸復興期には古典テキストの収集研究、出版が行われ、それらは多くの知識人の交流により広がり、フランスではジャン・グロリエやドゥ・トゥのような愛書家も生まれた。ヴェネツィアの学匠印刷家アルド・マヌーツィオの工房では、今日に繋がるハンディな判型、活字をつくり、八折版など小型本の普及に貢献した。またビザンチン、イスラム世界からは金箔押しの技術が伝わり、表紙革につける模様や、小口装飾にも金が使われるようになった。製本では本文を糸で綴じる支持体に革や麻紐を用い、支持体を板紙など表紙に通し、接着して表装素材をかぶせる「綴じつけ製本」が装飾技法とともに完成されていった。
17、8世紀の製本は、王侯貴族を中心とする蔵書のために、表紙や背に金箔押しの花型模様で豪華な装飾がある一方、市民社会での需要に応えるため画一的で簡単な装飾の製本も作られた。

 

16世紀 アルド印行、グロリエ蔵本

http://gallica.bnf.fr/ark:/12148/btv1b550034007.r=+reliure.langEN

17世紀

http://gallica.bnf.fr/ark:/12148/btv1b7300205c.r=+reliure.langEN

18世紀ダンテル様式の本

 


18世紀末には、製本にも工程の省略化への工夫がみられ、半革装やホローバック、ブラデル製本などが生まれた。
19世紀、産業革命による製紙、製本の機械化などの技術革新により出版量は増大し、製本工程を早くするために、あらかじめ表装材でくるんだ表紙を別に制作した中身と組み立てる「くるみ製本」が生まれ、クロス装(布装)や紙装の版元製本として発行されるようになった。この形は現在の「上製本」につながっている。



同時に、素材や内容、印刷にも凝った愛書家向けの工芸製本の展覧会も開かれるようになり、多くの製本作家が登場する契機となった。フランスのマリウス・ミシェル工房では、革モザイクと箔押しの技術を駆使したアール・ヌーボー装幀で製本した。イギリスでも中世を再評価する芸術運動の中、画家が装幀を担当し、活字や素材から研究して出版するウィリアム・モリスの活動があった。
 
     

 

 
中世からの表紙装飾は、その時代の装飾様式に沿ったもので、テキストの内容と関連するものではなかった。しかし20世紀になると、製本装幀を本の内容への入り口として表現する試みが現れ、ポール・ボネやピエール・ルグランをはじめ、デザイナーと製本、箔押しの高度な技術を持つ職人との共同作業で多くの芸術作品が生み出された。

ピエール・ルグランのルリユール
http://bsuva.org/bsuva/artdeco/lecture5.html


 歴史的製本から現代の工芸製本まで、基本的な製本構造は「綴じつけ製本」である。しかし1980年代、ジャン・ド・ゴネが構造をデザインの一部として表現する製本をはじめたのを契機に、各地で古典技法の見直しや、様々な構造、形態の研究が活発になった。90年代半ばにカルメンチョ・アレジが支持体と表紙を一体化する交差式製本構造を発表し、他にも折丁に別紙をつけて開きをよくする足つき製本やソフトカバー製本など、本文に負担をかけない構造と装飾表現を共存させる様々な工夫がされている。また、「ブックアート」や美術家とのコラボレーションなど美しい書物の創造への探求も進行している。

カルメンチョ・アレジ
Carmencho Arregui
http://outofbinding.com/
  
                                                                                                 東京製本倶楽部

ポール・ボネのデザインによるルリユール
「ヴェニスに死す」1973年 
『装幀の美アール・ヌーヴォ―とアール・デコ』同朋舎出版

   
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